2021.02.16
第7期 5S改善コーチ育成講座 第5講
2021年2月16日火曜日に第7期5S改善コーチ育成講座(以下、5S学校)の第5講が株式会社ベルさまで開催されました。今回は『清潔と躾』について、講義が行われました。
5S学校も残すところ、来月の修了式の1講となり、一般的にも、5S学校的にも、手順は違えど、整理・清掃⇔整頓の3つが3Sと言われ、この3Sの教育に大きく時間を割きます。これは、原因系(活動)の3Sを実践しなければ、『清潔と躾』のあと2つのSは、結果系(状態)なので、得られにくいからです。
日数の配分で言うと、3Sに3日(75%)、2Sに1日(25%)になります。5S学校ですから、カリキュラムに則って、原因系(活動)の3Sを実践した後に手に入れられる結果系(状態)の2Sを教育します。
冒頭はクイズから始まりました。下の写真で確認もできると思いますので、考えてみて下さい。
どうでしたか?
現場では、思い込み(先入観)で、できない理由ばかりが飛び交いがちです。特に、人との関係性によるものが顕著です。
マン・アワー(Man Hour)の計算はできるが、その結果、「人不足だ」「やれない」と判断するのはいけない。マン・パワー(Man Power)は決しておし計れるものではない。知恵を出すことによって、能力は無限に拡大される。
トヨタの現場管理より
マン・アワー(Man Hour)は一人当たりの仕事量、マン・パワー(Man Power)は一人当たりの労働力、マン・アワー(Man Hour)で考えると、生産性を上げるのに、人や設備を投入することをしますが、日頃から手が動く3S活動を行えば、マン・パワー(Man Power)の知恵が出るので、今ある人と設備でどうやったら生産性が上がるかを考えるようになります。
マン・アワー(Man Hour)の考え方は、仕事量が増える時は良いのですが、減る時あるいは変動する時に、人や設備を投入している大きなリスクを背負います。現行のコロナ禍において、マン・アワー(Man Hour)で進めるのはリスクではないでしょうか?
コロナを機に、会社にいる人(仕事)がリモートワークになったので、仕事や作業の見直しを行う好機かも知れません。
鈴木講師の地元、足利商工会議所さまの改善事例です。整理でこれだけの書類を捨てたそうです。
書類が捨てられない思い込みを捨てて、冷静になって整理・清掃・整頓すれば、自ずと清潔・躾は手に入ります。
受講生の第5講ともなると、仲間意識も芽生え、楽しみながらも真剣に5S学校に参加してくれています。
なぜ仲間意識を芽生えるか?の答えは、実習にあります。今回の実習はパイプツール(通称イレクター)の製作です。イレクターは、矢崎化工とトヨタ自動車が作り出したパイプツールで、既製品の棚と違い、思うような形や寸法にできる特徴があり、
- 組み立てが簡単で特殊なことは必要ない
- フリーサイズのモノが作れる
- 軽くて丈夫に作れる
- 部品点数が豊富でアイデアを具現化できる
非常に便利なツールです。
耐荷重性もあり、キャスターを付ければ、自由自在に動かせ、役目が終わったら次に再利用もできます。既製品の棚は、棚の寸法に制限され、キャスターを付けることも、作り直しもできません。何より思い立ったら、すぐに着手ができるのが最大の魅力です。
今回は3班に分かれて、各班で製作品(工具置き台車・一斗缶供給下台車・ファイルラック)の完成品をスケッチして、ばらして、再度組み立てる実習を行いました。
みんな各班に分かれて、ワイワイガヤガヤとスケッチを行いました。
(私も参加した)ファイルラック製作班の様子です。3人で初の製作に挑戦しました。
途中で組み立てを間違ったりもしましたが、何とか再度組み立てることができました。
一番組み立てが難しかった班は、一斗缶供給下台車でした。簡単に組みあがった班のメンバーが、一緒に手伝って、全員で再度組み立てることができました。
イレクター(の製作)は、コミュニケーションツールです。つまり、みんなが協力して、「ああでもない。こうでもない。」と試行錯誤を重ね、製作をします。上述のなぜ仲間意識が芽生えるか?の答えはここにあります。
社内での人間関係が悪いのは、コミュニケーションの不足に起因します。我々5S学校が提唱するイレクターの活用は、コミュニケーションを良くするツールの活用です。
実現可能な活動とは、手が動く活動である。
手が動く活動(製作)を通じて、コミュニケーションが良くなる、チームワークが良くなるなら、5S活動をやらない手はないのではないでしょうか?
今回も素晴らしい学びの時間となりました。次回は、最終講。今までの成果を発表する時間が待っています。